職業柄、「小さい子供がいると働くのが難しそう」といったイメージをお持ちの方もいるかもしれません。
結婚・出産後も働き続けることができる仕事かどうか。子育てとの両立のために利用できる公的制度の内容も含めて、現役エステティシャンの事例をもとに検証していきます。
ご参考になりましたら幸いです。
エステティシャンに限らず、子どもがいることで、なかなか選考に通らないといったケースがあるようです。
小さな子どもがいる場合、急病や預け先が見つからないと仕事を休まざるを得ません。
予想もできず、休みやすさや融通が効くかは子育て中の女性が重視するところ。
しかし、仕事においてもノルマや期限が存在するため、求人側も不安を抱かざるを得ないのも事実。予約制のサロンにおいては、穴をあけることはできません。
多くのエステサロンは就業開始時間が遅く、比較的遅い時間まで営業しています。
シフトを組んで、早番・中番・遅番をローテーションする働き方が一般的で、週末や大型連休も営業していて定休日が設けられていないこともあります。
対して、保育園は月曜〜土曜日が基本です。状況に応じて最大11時間まで延長できるものの17〜18時までが一般的で、残業が困難で、働きたいという意志に反して条件が制限されてしまいジレンマが生じます。
交代で休みを取得するので、他の人に負担をかけてしまったり、週末や繁忙期間中に休みを取ることに引け目を感じたりと、精神的な負担も不安視されているようです。
エステティシャンと子育てを両立するためには、折り合いをつけて、これらの問題を解決していかなければなりません。
「やらなければならないこと」と「やりたいこと」を整理し、理想と現実のギャップを埋めていきます。完璧を目指さず、妥協点を見つけていくことが大切です。
時間にもキャパにも限りがあるので、「子育てしながら家事も、仕事も今まで通り」になんてできなくて当然。人によって得意、不得意もあり、価値観も異なります。家庭によって状況や背景もちがうので、比べられるものでもありません。
共働きの家庭も増えていて、ネットスーパーや食材宅配サービス、便利な時短家電も増えています。サービスや市販品の利用に罪悪感を持たず、頼れるところは頼るのが大切です。
周りと比較せず、自分を否定せず、子どもや家族、ご自身にとってどのような状態が幸せかを考え、それぞれの家庭にあった仕組みの検討が必要です。
収入の目安や用途、キャリアプランをたてて、働くことの目的を明確にします。
目的 | |
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収入 | キャリア |
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目的が「収入」であれば、生活費の管理も役に立ちます。
保育費と収入に大差なければ、働かず節約したほうが良いケースもあるでしょう。
パートナーの収入も関係してきます。
「稼ぐこと」を目的とせず、「家族と自分が、今も未来も幸せであること」を軸に家計管理を行うことで、本当に必要なものや価値のある時間とお金の使い方が見えてくるはず。
長期視点で考え、無理のない働き方やペースを見つけていきましょう。
扶養に入るメリット | 扶養を外れるメリット |
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保育園を利用していても、急病や怪我などを理由に、呼び出しがかかることがあります。
厚生労働省の「保育所における感染症対策ガイドライン」にそった登園基準>>>
すぐに対応できるのが理想ではありますが、仕事で席を外せないケースや、保護者自身が体調を崩してしまうことだって考えられます。
親族や近しい人への協力依頼、地域の子育て支援サービスの利用を検討しましょう。
少子化の要因のひとつに「女性の職場進出と子育てと仕事の両立の難しさ」があげられていて、多くの自治体でさまざまなサービスが提供されています。
近隣の施設の情報を調査し、準備しておくと安心です。
段階を踏んで備えておけば、自分も、周りの人の負担も減らし、やり過ごすことができます。
参考サイト:今後の子育て支援のための施策の基本的方向について|厚生労働省
地域の認定こども園や保育所、幼稚園など、全国の教育・保育施設等の情報を検索することができるサイト「ここdeサーチ」>>>
ファミリーサポート |
子どもの預かりや送迎など、子育ての援助を希望する人と、援助を行うことを希望する人とのマッチング、連絡、調整を行ってくれる制度。 看護師や保育士といった資格を持たない人もいますが、子どもの健康や安全に関わる必要な講習を受けた人のみが対応しています。 有料で、事前会員登録が必要です。 |
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病児保育 |
体調不良で保育所に通えない時、保護者が仕事の都合で家庭保育が難しい場合に、病院や保育所などの専用スペース、または、看護師や保育士が自宅へ訪問し、一時的に保育を実施する制度。 自治体の他、民間でも提供されていて、利用には事前登録が必要です。 |
保育時間の延長 |
定時時間外で預けられる制度。 残業や勤務時間などの就労と、親本人の病気、介護などが理由で認められます。通常保育とは別で料金がかかります。 スポットで対応してくれる園もあり、最長11時間まで延長可能。 19〜20時ごろまでが基本で、それより遅い時間は夜間保育やベビーシッターが必要です。 |
休日保育(休日一時保育) |
日曜日や祝日といった、保育園の休園日に子どもを預けられる制度。 保護者の就労形態の多様化にこたえ、「子ども・子育て支援事業」の一環として、各自治体が指定する一部の保育施設で実施されています。 |
一時預かり |
認定こども園、幼稚園、保育所、地域子育て支援拠点、その他の場所で一時的に預かり、必要な保護を行う制度。 民間施設では24時間、深夜帯も預けられる場所があります。 自治体でも「就労型」と「リフレッシュ型」が用意されていて、子育ての心理的負担を軽減するため、私的な理由でも利用できる場合があります。 |
どんなに充実した制度が設けられていても、同僚の理解と協力がなければ成り立ちません。長年勤めていて、人間関係が確立していれば融通がききやすいかもしれませんが、新しい環境化においては、現場のスタッフもこれらの制度に賛同していて、理解を得る必要があります。同世代のスタッフが少なければ結婚や出産を機に辞めてしまっている可能性も。
実際にサロンを訪れてみて、ご自身がその環境に身を置いた時に、子育てとの両立をイメージできるかをチェックしましょう。
昭和60年に男女雇用機会均等法が成立して以降、育児休業法や女性活躍推進法が設けられ、性別を理由とした差別を始め、結婚や妊娠、出産などを理由にした不当な扱いも違反となっています。
参考サイト:雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律 | e-Gov法令検索
参考サイト:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために |厚生労働省
社会全体で見ても女性の就業者数は年々増加していて、今後も益々、女性の社会進出が推進されると考えられます。
参考サイト:2-1図 女性就業者数の推移 | 内閣府男女共同参画局
エステは女性が主体なので、出産から社会復帰のサポート体制を整えている企業も多く、子育てへの理解は寛容です。産休・育休制度もあって、仕事をあきらめることなく、プライベートを充実させながらキャリアを積み重ねられる仕組みが整ってきています。
サロンによっては体の負担を考慮し、担当メニューを制限してくれることも。フェイシャル・ヘッド・美容機器などをメインとした専門店も多くあるので、体力面も心配いりません。
事実、50〜60代の方がエステティシャンに転身された事例も豊富で、年齢不問の仕事であると言えます。
独立して個人で活躍することもできます。
当エステスクールでも、未経験からの開業は全体の90%に登り、小さなお子様を持つママも多いです。
と、自分の人生にも妥協することなく、理想を形にしやすい仕事としてエステサロンの開業が選ばれています。
正社員 |
大手サロンなら人員を確保しやすく、土日出勤や遅めのシフトを免除してもらいやすいかもしれません。 |
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パート・アルバイト |
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派遣 |
2020年4月から「同一労働同一賃金」が導入され、不当な待遇も改善されてきています。 |
育児休業 |
男性・女性問わず利用でき、夫婦交代で取得することも可能です。雇用期間のある労働者(パートやアルバイト)も、要件を満たしていれば取得できます。 1歳未満の子供1人につき原則2回まで分割して取得でき、育児休業給付金として休業開始前の給料の67%、180日目以降は50%が雇用保険から支給されます。 事業主が年金事務所に申し出ることにより、育児休業等期間中の健康保険・厚生年金保険の負担が免除され、将来、被保険者の年金額を計算する際は、保険料を納めた期間として扱われます。 参考サイト:従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き|日本年金機構>>>
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産前産後休業 |
パート・アルバイトを含め、すべての女性が取得できます。 |
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短時間勤務制度 |
3歳に満たない子供を育てる人を対象に、1日の所定労働時間を6時間程度に短縮して勤務することができる制度。 正社員・パートともに適用されますが、希望する場合は自ら会社に申告する必要があります。 短縮された2時間分は減額され、フルタイムの75%程度が支給されます。ボーナスも減給されるケースが多いようです。 |
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短時間正社員制度 | 短時間勤務でありながら、無期労働契約を締結し、基本給や賞与などの算出方法がフルタイムの正社員と同等となる制度。 | ||||
子の看護休暇制度 |
小学校入学前の子供がいる労働者が対象。 子どもが病気や怪我をした時に、必要な世話をするために休暇を取得しやすくなる制度で、子ども1人につき年5日(2人以上は年10日)を限度に、1日または時間単位で取得できます。 看護休暇中の賃金の支払いの有無や計算方法は法律上の定めがなく、会社の就業規定で定められます。 |
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所定外(時間外)労働の制限 |
3歳に満たない子どもがいる労働者が対象。 事業の正常な運営を妨げる場合を除き、残業免除が免除されます。 1回の請求につき、1ヶ月以上1年以内の期間を指定することができ、請求回数に上限はありません。 |
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深夜業の制限 |
小学校入学前の子供がいる労働者が対象。 事業の正常な運営を妨げる場合を除き、午後10時から午前5時までの労働が免除されます。 パートやアルバイトも対象です。 |
産前産後休業や育児休業は、会社に規定がなくても、パートの方も含め申し出ることができます。
半休制度 | 有給休暇を半日単位で取得できる制度。 |
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託児所・ベビーシッター制度 | 有資格者を常駐させたり、福利厚生でベビーシッター券やベビーシッター利用支援制度が設けられている場合があります。 |
個人事業主は労働者にあたらないので、産休や育休制度を利用できません。
代わりに、働く時間や場所を自分の裁量で自由に決められるというメリットがあります。
業務委託 |
接客以外の時間は自由で、雑務などを行わなくて良いケースもあります。 |
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自宅サロン開業 |
仕事を休むことに後ろめたさを感じることもなく、子どもや家族と過ごす時間との配分を自由に選択できます。 |
妊婦健康診断の費用助成 | 安心・安全に出産できるよう妊婦健康診断の費用が、1回につき4,000〜10,000円程度助成されます。 | ||||||
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出産育児一時金 |
国民健康保険に加入している人が対象。 子ども1人につき最大50万円が支給されます。 |
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児童手当 |
中学卒業までの子どもを養育していて、所得上限限度額未満の人が対象。
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資格がなくても携わることができる仕事ですが、独学というケースはほとんど耳にしません。
エステティシャンを目指す場合、大きく2通りの方法が考えられます。
資格不問の未経験歓迎求人も多く、サロンワークと並行して独自のカリキュラムで研修を行っているところが多いようです。
慣れない環境下で、子育て・仕事・スキルの習得を並行して行うことになりますが、研修中も給料が支給され、スキル習得のための費用負担がないところも魅力です。先輩のアシスタントや受付・雑務をしながら実践で学べるメリットもあります。
大手サロンでは、系列スクールや研修センターが設けられていることもあるので、継続してスキルアップすることもできます。
接客、マナー、身だしなみなど、サロンの方針に沿った研修が実施されるため、他店に移ったり、スキルアップしようとした際に悩むケースもあるようです。
仕事と学習を切り分けられるので、スキル習得に集中できます。
資格があることで良い条件で就職できるケースもあり、エステ業界に限らず、関連する業界でも所持するスキルと能力の信頼を獲得できます。開業やキャリアアップを目指す方は、専門的に学んでおくとメリットが多いです。
卒業後は自身でスキルアップを行っていく必要があります。
5時30分~6時
身支度・洗濯物
6時半
7時半
片付け・家事
8時半
9時半
14時半
15時
16時
17時
18時半
19時
20時半
21時
22時半
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親族であれ同僚であれ、個々人の生活があります。
同じ状況にならないと当事者の苦労や気持ちはわかりません。
自分のためにも、周りのためにも、理解してもらえるように努力は不可欠です。
子どもが急病で相対しなければならなくなった時や、急に休まなければならなくなった場合の対応、家庭の状況についても共有しておくことで理解を得られやすいかもしれません。
日頃から余裕を持った仕事を意識し、積極的に周りのサポートを行っていれば、お互いに無理をすることもなく働きやすい環境を構築できます。
周りの人に支えられて今があることに感謝しつつ、持ちつ持たれつの関係でいられるよう、バランスを保つことを意識しておくとよいでしょう。
家族のこと、子供のこと、仕事のことで、自分のことは後回しになりがち。
ひとりで抱え込まず、無理をしすぎず、自分自身を大切にするためにもMe Time(自分のためだけの時間)を設けましょう。
子どものお迎えや家事の分担、パートナーの育児休暇の有無、急な呼び出しや不測の事態の時はどのように対応するのか、事前にパートナーと話し合い、取り決めておくとスムーズです。
家事代行サービス・ベビーシッターなど、お金で解決できることもあります。
時間を見える化し、”自分のための時間”を確保して、適度にリフレッシュしましょう。
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